- タイマーICの555でワンショットパルス発生器や発振回路を作りたい方
- 無安定モードによる発振回路の抵抗及びコンデンサの大きさで迷っている方へ
タイマーIC「555」はタイマーや発振回路、フリップフロップ回路などに使用されるICです。
ネット記事などを見ながら使い方を勉強したので本記事にまとめたいと思います。
タイマーIC「555」には3つのモードがあります。各モードの説明と無安定モードで作れる矩形波の周波数及びDuty比について書いていきます。
- 各ピンの役割
- 3つのモードと使い方
- 無安定モードで抵抗値やコンデンサ容量を変えてみる
- 無安定モードでDuty比を固定して周波数を変化させてみる
❶ 各ピンの役割
「555」には8個のピンがあります。
Pin | 名称 | 役割 |
1 | GND | グラウンドに接続するピン |
2 | TRIG | スイッチなどに接続し、作動タイミングを取るための入力端子 |
3 | OUT | 出力ピン HIGH時はVCCより約1.7V低い電圧、LOW時はGND電圧を出力する。 |
4 | RESET | GNDに接続するとリセットされる。約0.7V以上になるまで再始動しない。 |
5 | CTRL | 制御電圧端子。電源の2/3の基準電圧がかかる。 |
6 | THR | CTRLの電圧が電源の2/3以上でOUTピン(3番ピン)がLOWになる。 |
7 | DIS | コンデンサの放電などに使用。 |
8 | VCC | 4.5Vから16Vの電源を入力するピン |
➋ 3つのモードと使い方
1.両安定モード
フリップフロップ回路として動作します。
2番ピン(TRIG)、4番ピン(RESET)をプルアップ抵抗を介してHIGHに接続しておく。この状態で3番ピン(OUT)はLOWを出力します。
2番ピン(TRIG)をGNDに接続すると3番ピン(OUT)はHIGHを出力ようになります。
4番ピン(RESET)をGNDに接続すると3番ピン(OUT)はLOWに戻ります。
2.単安定モード
「ワンショット」パルス発生器として動作します。
2番ピン(TRIG)をプルアップ抵抗を介してGNDに接続すると3番ピン(OUT)からHIGHが出力されます。
その出力される時間Tを抵抗R[Ω]とコンデンサC[F]の大きさによって制御することができます。
T=1.1CR
R1=100kΩ、C1=100μFなら T=1.1x0.0001x100000=11[秒]となります。
抵抗R及びコンデンサCの値が大きくなるほど、3番ピン(OUT)から出力されるHIGHの時間が長くなります。
3.無安定モード
発振回路として動作します。
抵抗R1[Ω]、R2[Ω]及びコンデンサC1[F]の大きさによって、周波数FとDuty比を制御できます。
F=1.44/(R1+2×R2)C1
Duty比=(R1+R2)/(R1+2×R2)
❸ 無安定モードで抵抗値やコンデンサ容量を変えてみる
先の項目の「3.無安定モード」で出た式を使って抵抗値やコンデンサ容量を変えていき周波数及びDuty比がどのように変わるかを表にまとめました。
・コンデンサ容量0.01μFの場合
・コンデンサ容量0.1μFの場合
・コンデンサ容量1μFの場合
式からもわかると思いますが、
コンデンサ大きくすると
- 周波数が下がる
- Duty比は同じ
R1を大きくする
- 周波数が下がる
- Duty比が上がる
R2を大きくする
- 周波数が下がる
- Duty比が下がる
という特徴があります。
❹ 無安定モードでDuty比を固定して周波数を変化させてみる
最後に参考までに計算上でDuty比を固定して周波数を変化させた表を掲載します。